書影: 大林宣彦の体験的仕事論 – 人生を豊かに生き抜くための哲学と技術
書誌: 大林宣彦の体験的仕事論 – 人生を豊かに生き抜くための哲学と技術
目次: 大林宣彦の体験的仕事論 – 人生を豊かに生き抜くための哲学と技術
大林宣彦の体験的仕事論 目次
はじめに――映画作家の体験的仕事論が、なぜすべてのビジネスの現場で通用する話なのか 中川右介 3
第一章 僕はこうやって面白く、愉しく、 一所懸命に映画を作ってきた[前編]
-8ミリ映画のフィルムアーティストが、 三十九歳の新人映画監督になるまで
映画会社に入らなければ「映画監督」になれなかった時代 … 21
「映画監督」ではなく「映画作家」になろう … 23
師匠はエジソンと決めた … 26
映画を撮っても発表する場所がない? … 27
画廊で白いキャンバスをスクリーン代わりに初上映 … 30
紀伊國屋ホールで二分間フィルムショーを開催 … 33
映画監督たちが断ったCMの仕事を引き受ける … 36
CM作りに一生を懸ける面白い人間が出てきた … 41
二分のCMのうちの一分五十五秒は自分のプライベート映画 … 43
コマーシャルの仕事を通して世間と社会を学ぶ … 46
宣伝部ではなく、その商品を作った人の話を聞く … 49
スポンサーを下ろした事件 52
東宝から商業映画の企画のオファーが。しかし、…… … 58
十一歳の娘が考えた映画の原案を採用 … 62
企画は通ったけれど、監督をやってくれる人がいない … 64
外堀から埋めていく … 67
「こんな馬鹿馬鹿しい脚本は読んだことがありません」 … 70
前例のないことだけをやる … 73
二十年後に知った『HOUSE/ハウス』誕生の裏話 … 75
商業映画はこれ一本でやめようと思っていた … 78
● エピソード 学生結婚協詩曲の巻 … 82
第二章 いかに仕事を面白くし、人生を愉しむか
ーマイナスをプラスに変える逆転の発想。 仕事に立ち向かう心構えについて
「誰も何もしてくれない」のはチャンス … 85
君自身がチャンスなんだよ … 87
新たな発明は「失敗」から生まれる … 88
撮影中にトラブルが起きたら、「チャンスが来た」と思う … 93
嫌な人や苦手な人と、いかに付き合っていくか … 95
今、人生のどの位置にいるのかを意識して生きる … 99
僕だって悩んだり落ち込んだりすることはあるけれど … 104
「ゆるキャラ」にはなるな … 108
ここから先の読者のためのコラム 「敗戦少年」である僕が、みな「平和難民」となった日本の敗戦後をどう生きたか … 112
第三章 いかにやりたい仕事をやるか
-本当の「仕事」をするための七つの原則。「逆転の発想」実用編
第一の原則 頼まれた仕事しかしない … 123
第二の原則 いつも一番高いギャラを求める … 130
第三の原則 「第二の黒澤」にはならない、「第一の大林」であろう … 134
▶︎映画ファンのためのコラム 「作りたい映画」ではなく、「いま作るべき映画」を撮っていた黒澤明 … 138
第四の原則 一番大事なものから捨てる … 140
▶︎映画ファンのためのコラム ディレクターズカットは自己満足の極致 … 145
第五の原則 平均点は目指さない … 149
第六の原則 普遍には多様性があることを知れば、誰とでもやっていける … 156
第七の原則自分の仕事に自分の痕跡を遺す … 159
▶︎映画ファンのためのコラム 日本映画は「男の料理」で破綻した … 164
第四章 いかに一緒に働く人の力を引き出すか
――チーム力を最大化するためのマネージメント術。良いリーダーになるための法則
自分が得意なことほど、スタッフの意見を聞いて慎重に進める … 169
いいアイディアを思いついても自分からは言わない … 171
リーダーは凧である … 172
チームはバランスが良すぎてもうまくいかない … 174
「結果よりも経過を見ろ」という父の教え … 177
たくさん食べるのも、リーダーの重要な仕事の一つ … 178
スタッフの名前を覚える … 181
新たなことは「いつものスタッフ」と、原点確認は「新しいスタッフ」と … 185
ギャング役が似合う役者には、サラリーマン役をやらせたくなる … 189
苦手なことをやってもらうと、思わぬものができる … 191
愛情を持って見れば、欠点も魅力になる … 194
リーダーが部下に賭けるときの覚悟、 黒澤明監督のある決断 … 196
小咄もなかなか役に立つ … 201
第五章 いかに時代の変化に対応していくか
-アナログからデジタルへの時の流れの中で、 どう生きて前へ進むか。常に第一線にいるために
誰でも映画が撮れる時代に、「プロ」であるためには? … 205
新しいテクノロジーは積極的に採り入れる … 210
デジタルがいいか悪いかより、それをどう使うかのほうが大事 … 216
テクノロジーの進歩を本当に活かせているか … 224
迷ったときは、「十六歳の自分だったらどう思うだろうか」と考える … 227
一番好きなことは趣味でもあり、人生そのものでもあるから、引退がない … 230
● エピソード 僕の疾風怒濤・青春旅日記の巻 … 232
第六章 僕はこうやって面白く、愉しく、 一所懸命に映画を作ってきた 後編
『HOUSE/ハウス』から『野のなななのか』まで。終生インディーズ映画作家の、人生の冒険
「角川映画」と「大林映画」 … 235
どうせ顰蹙を買うなら大顰蹙を目指す … 237
一種の冗談と承知して作った『HOUSE/ハウス』が大ヒット … 240
手塚治虫と黒澤明の意外な共通点 … 246
二作目で失敗したことがかえって良かった … 249
百恵と友和が恋していることに「カット尻」で気がついた … 252
『ふりむけば愛』のラストシーン撮影秘話 … 256
「角川映画なんかやるのは恥」という状況の中で手を挙げる … 259
角川春樹との信頼関係が生まれた瞬間 … 262
歳若い監督たちとの対話は面白く、交流は愉しい … 266
尾道を舞台に「町守りの映画」を作ろうと決意 … 271
十四日間、寝ないで撮った『廃市』 … 273
『時をかける少女』は原田知世の最初で最後の主演映画のはずだった … 278
地元では大顰蹙だった「尾道三部作」280
商業映画でも自主映画でもない、古里映画 … 282
後半生の大きな転機となった「臼杵の植樹祭」 … 287
「この町で映画を撮らないで下さい」と言った臼杵市長 … 299
『なごり雪』で高度経済成長の功罪を問い直す … 302
古里映画は、その町の人たちとの共同製作 … 306
「どんな映画を作るか」よりも「映画を使って何ができるか」 … 313
有楽町スバル座の館主さんの嬉しい言葉 … 316
●エピソード大学を横に出て、愛する母校の名を挙げるべしの巻 … 320
「巻末対談|大林宣彦×中川右介
-時代をひた走る、大林ワールドへ
大林チルドレンと団塊の世代 … 323
「映画の正統」を目指して … 327
デジタル時代の劇映画 … 331
デジタルムービーの可能性 … 335
「正統的」引用に基づく大林演出 … 338
「正気」を語る「エッセイ」に向かって … 341
老人たちの時代 … 345
おわりに―――誰もが芸術的に生きれば、穏やかなあしたが創れるかも知れぬ。
ーナンバー・ワンではなく、オンリー・ワンへ 大林宣彦 349
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