定価本体1800円＋税
発売日2020年8月26日
ISBN978-4-7917-0389-0
追悼・大林宣彦——『海辺の映画館 キネマの玉手箱』 7月31日公開
個人映画の先駆者として、CMディレクターとして、アイドル映画の名手として、反戦平和を願い続けた尾道の映画作家として——大林宣彦が日本の映像史にもたらしたものとは何だったのか。『海辺の映画館 キネマの玉手箱』を遺して旅立った永遠の映画作家の軌跡を辿る。
目次
図版構成
大林宣彦写真館 提供=PSC … 7
永遠の映画作家
いまでもどこかで 大林恭子 × 大林千茱萸 | 司会=安藤紘平 … 20
You Must Believe In Spring 森泉岳土 … 35
一九七七年『HOUSE』直後の大林宣彦インタビュー 大林宣彦 | 聞き手=樋口尚文 … 39
想いのなかで
大林監督へのオマージュ 久石譲 … 44
大林さんの肩書 赤川次郎 … 47
私にとっての大林宣彦監督 山中恒 … 50
大林監督について思い出す、二、三の事柄 高橋幸宏 … 54
叔父のこと 平田オリザ … 58
個人映画から商業映画へ
映画少年魂の開花とその持続 大林宣彦を偲ぶ 渡辺武信 … 62
大林宣彦・遥かなる個人映画の旅 木全公彦 … 70
テレビCMが育てた大林宣彦 山田奨治 … 78
『HOUSE』、映画史を変えた異形の詩篇 樋口尚文 … 85
「幼年期」の映画、あるいは記号化する日常と「身体」 極私的大林宣彦論 長谷正人 … 93
8ミリ、16ミリ、35ミリ
映画を“調整”する気は毛頭ない 塚本晋也 × 犬童一心|司会=樋口尚文 … 104
金沢の思い出 手塚眞 … 116
最も幸運な大林チルドレン 小中和哉 … 118
大林宣彦という迷宮 岩井俊二 … 122
大林宣彦監督がくれた言葉たち 行定勲 … 126
あったらよかった青春の想い出! いたらよかった初恋の同級生!! ゆうきまさみ … 129
大林映画と私 とり・みき … 130
映画として生きた人。 高橋栄樹 … 134
映画の幸福
大林宣彦の祈り『転校生』のセルフリメイク 北村匡平 … 139
「明るい画面」の映画史『時をかける少女』からポスト日本映画へ 渡邊大輔 … 149
『時をかける少女』とジュヴナイル SF の系譜 風野春樹 … 160
詩的な運命を生きる『さびしんぼう』論 福間健二 … 167
大林さんのこと
忘れな草君はキネマの玉手箱 角川春樹 連鎖する映画たち 佐々木史朗 … 179
大林宣彦監督を偲んで 阪本善尚允孝 … 182
21世紀のデジタル大林映画 三本木久城 … 188
映画愛と遊び心を次世代に伝えたい 竹内公一 … 193
學草太郎という音楽家との共演 山下康介 … 197
ターニングポイント 和栗千江子 … 201
四〇年目の「これでも映画か」 野村正昭 … 207
エッセイ 再録
死に至る病い、としての映画の中で、恋の想念と出会った 大林宣彦 … 211
大林映画を生きる
大林監督の想い出と共に 入江若葉 … 216
大林組を遠く離れて 岸部一徳 … 221
監督を偲び 根岸季衣 … 226
素晴らしき哉、ラビリンス! 常盤貴子 … 228
人生を変えた出会い 石田ひかり … 231
いつか見た夢 いつか見た映画
大林宣彦『HOUSE』と悪夢の Discover Nowhere 石岡良治 … 234
ネコはネズミを黙殺したか 重政隆文 … 243
大林宣彦とATG ローランド・ドメーニグ … 250
大林宣彦と「反時代的アイドル」たち 太田省一 … 256
テレビの中の居心地悪さ『可愛い悪魔』についてのノート 木原圭翔 … 264
映画『その日のまえに』論 メロドラマ的、あまりにメロドラマ的な「A MOVIE」 河野真理江 … 272
想いの記憶
タイムマシンに 飴屋法水 … 280
いつか成城で見たメロン 椹木野衣 … 287
僕に再びランニングシャツを着させてくれた人 石川浩司 … 293
対談再録
映画は境界を越えて 大林宣彦 × 高畑勲 … 298
大林宣彦の旋律
幽霊と一輪車 映画による歴史叙述と反戦平和をめぐって 山本昭宏 … 307
喪失の食べ方 大林宣彦監督作品における幽霊の機能についての覚書 川崎公平 … 316
『HOUSE』から『麗猫伝説』へ 遥かなる映画女優に捧げる悲歌（エレジー） 志村三代子 … 325
ただの死がもたらす群生したくみ>大林宣彦における制作と思考 山本浩貴(いぬのせなか座) … 334
資料
大林宣彦主要監督作品解題 伊藤弘了 … 357
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